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▼ 貧乏少年、空を飛ぶ
貧乏少年というのはもちろん私のことです。節約と一体何の関係があるのかと
つっこまれそうですが、気にせず読んで下さい。
まず空を飛んだとか飛んでないとか言う前に、それまでの経緯についてお話したいと思います。
今から数年前まで、私は買い物すれば必ずやっていたことがあります。
それは「値切る」こと。値切ることに全てを賭けていた、そんな時代がありました。
あなたは値切る行為についてどう思いますか?
セコい?恥ずかしい?金の亡者?そう思われるかもしれませんね。
確かに大声で値切る関西のおばちゃん軍団はセコいです。図々しいです。
でも誤解しないで頂きたい。関西人が皆、どこでも値切るわけじゃないし、図々しいわけじゃありません。
意外と恥ずかしくて言えない人も多いのです。
私の場合は大きな買い物をした時、「少し安くなりませんか?ぼえ〜」と叫ぶぐらいです。
とは言ってもそれは今現在のことで、昔は私も最高にセコかったわけなんですけどね。
▼ 値切る極意
値切る。それはまさに店員さんとの駆け引き。交渉を楽しめる、買い物する時の最高のゲームである、
と私は思っていたわけです。少しでも安く物を購入し、「得した!」と幸せ気分を味わえるゲームなのです。
参加資格は貧乏だろうが金持ちだろうが関係ありません。
最も戦いが行われる激戦区はそう、家電量販店です。今ではポイント制なるものも登場していますが、私はやはり自ら値切って買い物してこそ、
よりお得な気分が味わえると思っています。
「これナンボしたと思う?」と謎のクエスチョンから始まり、「実はコレ、○○円やってん。安いやろ〜」と
周りに自慢するため、浮いたお金で「ウマイもんを喰いに行く」ために戦うのです。
まずはターゲーットの店をいくつか下調べし、欲しい商品をロックオンしたら次に店員さんを探します。
ここはできるだけ愛想のいい、それでいて冗談が通じるような人の良さそうな店員さんがベストです。
勢いでこっちが負けてしまいそうな屈強な戦士や、値引きに全く応じようとしない堅物そうな店員は無視します。
たま〜に一般客を店員さんと間違えて話しかけてしまうことがあるので、それだけは気をつけましょう。お互いとっても気まずくなります。
ナイスキャラな店員さんを見つけたら笑顔で呼び止めます。「あの、すいませ〜ん」
そこから「これは売れているのか」「機能はどうか」などのトークで会話を弾ませ、店員がスキを見せたその時、
こう切り出すのです。
「で 、 い く ら 安 く な る わ け ?」
もはやこの時、私の目は笑っていません。てっきり素直に購入してくれると思いこんでいた店員さんのメガネも曇るってなもんです。
さぁ、電卓出しなッ!
弱気な顔で「安くなりませんか?」などとは決して言いません。「最安値だろうが赤字覚悟だろうが知ったこっちゃねー!
こっちはいくら安くなるか聞いとんねん!」 そんな言葉はもちろん発せず、そんなオーラを出すのです!(意味わからん)
こう書くと、自分でもとんでもなく意地汚く感じますが、実際は愛想よく交渉しています。
でも「財布にこんだけしか入ってない」「オマケをつけて」「あの店はもっと安かった」「昨日、死兆星見た」なんて攻撃は当然のごとくやってのけます。
このようにしながら値切って得をすると、もう病みつきになってしまうのです。
▼ 奇跡の生還
私が始めて値切ったのは、記憶では高校生の頃。初バイトで貯めたお金で大型テレビを買いに行った時です。貧乏でしたがどうしても
大画面で映画を観たかったのです。その時行った店で値切ったというより、正しくは優しい店員さんが勝手に安くしてくれました。
安くなるなんて思ってなかったので、とてもうれしかったのを覚えています。
ちなみに私の部屋に勝ってに侵入し、初めて大画面に触れた父親は、船のシーンを観て「酔った」らしいです。んなアホな。
値切れば安くなる!欲の心をもち出した私はそれ以来楽しく値切っていましたが、次第にセコくなっていきました。
いつでもどこでも値切りたおしです。今考えれば恥ずかしい限りです。
そしてそんなセコい行為を行っている私に、ついに天罰が下る日が訪れました。
当時どうしてもウォークマン(カセット)が欲しかった私はいつもの店に現れました。 かなり安売りしてたのですが、
当然そのまま買うはずもありません。
「1000円足りないんスけど、安くなりまへんか?」
店員さんは驚きを隠せない表情で言いました。
「お、お客さん、これで精一杯激安ですよ。勘弁して下さい」
店員さんが困るのも無理はありません。5万、10万と買い物するのならまだわかりますが、1万円程度の物をさらに安くしろと
言っているのですから。本当にアホでした。
「そこを何とかお頼みしたい」「どうしても1000円を出せない理由がある」と粘りに粘りましたが、全く聞いてもらえませんでした。
初めて敗北した私は我慢なりません。
頭に来た私は「他の店で買うから捜さないで下さい」と怒って出て行きました。
怒りを胸に私はバイクを飛ばしました。次の店に行くために。この屈辱を忘れるために。
風になろうとバイクをカッ飛ばしました。勢いよくカーブを曲がると、、あ、車来た。
前方の車もブッ飛ばしてやってきました。え、アンタも値切れんかったん、、?
そんなこと考える暇もなく一瞬の出来事でした。ギリギリで避けましたがほんの少しカスった
バイクは転倒。そして私はそのまま前方へ勢いよく飛んでいきました。
文章ではわかりにくいかもしれませんが、ウルトラマンやスーパーマン、もしくはパーマンが空を飛んでるシーンを
思い出して下さい。アレです。あの横に飛んでるポーズで私はフッ飛んで行ったのです。
で、そのままヘッドスライディングで地面に滑り込み。着地失敗。
滑り込んだままのアホな体勢で私はビックリしましたね。死んだかと思いましたが手足も動き、ほとんど無傷です。
ゆっくり立ち上がった私に運転手があわてて近寄ってきました。
「君、、大丈夫!?」
「な、なんとか、、。」
そう言いながら私は運転手の顔を見ました。(ん、、わおっ!小学校ん時の担任の先生やん!)
しかし変わり果てた私の姿に先生は気付くはずもなく。でも少しして
「あっ!もしかして君は・・!」 気付いたようだね。
さーて、弁償もしてもらわんといかんし、話し合いか。あー、めんどくせ〜と思っていたら、
先生はとても優しい言葉をかけてくれました。
「これからは気をつけないとダメだよ。じゃっ!」
「え、、、あの、ちょ、ちょっと」
先生はそのまま疾風のように去っていきましたとさ。
って逃げるんかい!タイヤがパンクした車で逃げるんかい!アンタ聖職者ちゃうんか!
戻ってこい、シェ〜ン!・・・行ってしまいました。バイクは大破してるし、何か足にも激痛が。
何とかバイクを持って帰ろうとしていると、運よくポリスメンがバイクで通りかかりました。
おぉ、助かった。。早速この事を相談しよう。これは事故なのだ。訴えてやる!
「よう、どうしたよ。揉め事か?気をつけて運転せんといかんよ。じゃっ!」
「え、いやあの、ちょっと、、」
ポリスメンは話も聞かず疾風のように去っていきましたとさ。
って話聞けや!ワシ1人でコケたんちゃうんじゃ〜! そして1人残された私は足を引きずりながら家路につきました。
後で弁償してもらったからいいものの、服は破れるわ足は痛いわで最悪な1日でした。
1000円を節約しようとケチったばっかりに、服もバイクも失い、ウォークマンも買えずじまい。最初の店で素直に買っておけばと
大後悔しました。
やはり節約生活はあくまで無駄を省き得をするのであって、ケチになってはいけませんね。お金にうるさくなってはいけません。
自分でできる範囲で楽しめないと意味がないのです。
そして欲を出すとロクなことがありません。 老子が言った「足るを知る」の言葉が私の心に染み渡る!かどうかは知りません。
そんなわけで私は今から愛車(自転車)にまたがり家電量販店に買い物に行きたいと思います。
もうケチくさく値切ったりしません。いえ、値切れません。
なにせ買うのは新しい「鼻毛カッター」ですから。デートの前は鼻毛チェックを忘れずにね!
読もう!貯めよう!節約のアイディア満載。
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